湘南に移住しました

~好きな土地で好きな仕事をするために~

【書評・読書感想 平野啓一郎】ある男を読んで戸籍について考えた

 

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こんにちは。

 

湘南で自由な生活をしたい、らいおです。

 

現在「マチネの終わりに」が映画化で最近話題、平野啓一郎さんの小説を始めて読みました。

 

「マチネの終わりに」を見ないで「ある男」を読むところがひねくれてますね。

 

題材を全く知らず、人から良いよと勧められて読んだ本ではありますが、

非常に深くて読み応えのある本でした。

 

最初に感想を言ってしまうと、

「日本という世界の見方がかわること、自分の存在への希薄感が高まる」

こんな印象を持ちました。

 

 

日本の戸籍は交換できる?

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少しネタバレになってしまうかもしれないので、簡単に最初のあらすじを書きます。

 

ある日愛する夫が死んだ。それはとても悲しいこと。

しかし、もっと悲しいことが死んだことによって発覚する。

死んだ夫は、夫ではない。

夫だと思っていた男は夫の名前を被った別の人間であった。

 

 

運転免許証などで

「あなたは何者ですか?」

とよく問われます。

 

現代の日本では戸籍が個人を規定するためにかなり大きな力を持ちます。

 

この本を読んで主題に思えたテーマは「戸籍の交換」

個人的には始めて聞く単語でした。

  

少し調べてみると、現在の戸籍制度になったのは昭和23年(1948年)の改正戸籍法によって。かなり最近の制度なんですね。

 

そして、江戸時代にはニセ家系図なるものが流行したそうです。

そもそも、教育水準が低かったため、家系図を作っている家は1割ほどしかなかった。

作れば名家と見做されるされるため、各個人の戸籍を偽造して家系図を作っていたそうです。

  

昔から戸籍の偽造が日本で行われているなんて、思っても見ませんでした。

 

最近だと、日本でマイナンバー制度ができましたが、

裏でこうした状況があったから制定されたとも考えられるのではないでしょうか。

 

現在マイナンバー制度で何か個人的に規定されることは今のところないですが、

戸籍交換はしづらくなるのは間違いないですね。

 

普段何気なく名刺交換や、自己紹介などをしてコミュニティに属していても

本当にその人である確証が持てるのか?

 

何不自由ない生活を送れると思っている、先進国日本において

目の前の誰かが本物かどうかわからない現実に、絶句するしかありませんでした。

 

違う人の人生を歩むということ

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今の日本では自分は何者かを規定する上で1番重要なことが戸籍なんだと思います。

 

一度しかない人生の中で、恐らくは二人の人生を生きたのだった。

前半の人生に見切りをつけ、まったく新しい人生を開始する決断をしてー

 

要は戸籍を交換することで「生まれ変わる」ということではないでしょうか。

 

以前自殺について安楽死を題材にした古市さんの「平成くんさようなら」の際にこんなことを書きました。

 

安楽死という選択肢がある事は、楽に生きられる心の支えになるかもしれない」 

 

www.shonan-ijyu.com

 

そして、戸籍を交換して他人として生きる行為も

楽に生きる一つの手段なのではないか?

と考えるのです。

  

まとめ

戸籍の交換は法律上許されない行為なので、悪いことではあります。

 

しかし、この本を読んでいて人生においてなにかから逃げたいと思った時、肉体の死を選択するのではなく、社会的に死ぬ、別の人間になるという選択肢があることを知りました。

 

肉体の死、社会的な死、どちらも死ぬことなので簡単に取ってはいけない選択肢であることは間違いありません。

 

ただ、個人的にこの問題に是非を問うことはできません。

 

この上ない悲しみに耐えきれなくなった時、自分がどのような選択をとるか。

 考えても考えても答えがでなのですから。

【書評・読書感想】社会という荒野を生きる。社会問題について考えてみる

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こんにちは。

 

湘南で自由な暮らしをしたいらいおです。

 

令和になりましたね。

 

テレビはなんだか年末みたいなお祭り騒ぎでした。

年末じゃないのになんだか不思議な気分です。

 

そんな中で自分はAbemaTVを見ていました。

最近好きな「朝まで生テレビ

 

田原VS宮台で結構バズってましたね。

白熱した議論というのはなんとも清々しいものだなと感じていました。

 

田原さんはいつも出てるのですが、宮台さんと議論されるのは見るのが初めてで

「宮台さんってどんな人なんだろう?」と疑問に思いました。

 

そうした時に頼るのが本です。

 

直近の著書を早速購入して読んでみました。

「社会という荒野を生きる。」

 

内容は宮田真司さんが日本の裏側を書いた本です。

裏側というか社会の空気みたいな物を言語化してくれたような本になっている。

 

朝生でも抽象的なお話をされていて正直あまりついていけない感じがありました。

でも、それは自分の予備知識というか、社会の背景的なことを理解できていなかったんだなと思います。

 

池上彰さんのように分かりやすく伝えてくれることも大事だと思いますが、

宮台さんみたいにバッサリ切る感じが自分が好き。

 

言葉って分かりやすくしようとして具体的にしすぎちゃうと、本当に言いたい内容と少しずれてくる節があります。

 

令和になるにあたっての現在の日本の状況、優しい言葉ではなくズバッと行っていただくことで危機感を抱いた次第です。

 

 

【社会という荒野を生きる】著者、宮台真司さんとは?

宮台さんは日本の社会学者で映画評論家でもあります。

現在は首都大学東京の教授をされていますね。

 

世間的に有名なのは「援助交際」や「オウム真理教」を問題にしたことですね。

オウム事件真相究明の会」の呼びかけ人でもありますが、援助交際のフィールドワークとして実際に渋谷とかの街でナンパしてインタビューまで持っていくとかやられるそうです。

 

なんだか、学者さんなんですが色んな逸話があって、普通じゃないところが興味湧きますね!

 

【社会という荒野を生きる】気になった内容は?

 

【社会という荒野を生きる。】では半分は政治の話、半分は日本社会について書かれています。

 

個人的に政治の話はニュースを見る際に役立てようと思いましたが、日本社会の提言については身近な内容なのでとても問題に感じます。

 

宮台さんらしい辛辣な言葉で書かれている文章なので痛快な内容ですが、社会に対して結構生々しい現状を書かれている感じが社会に対しての問題意識を強くします。

 

人間よりも人間的なコンピュータ

 プロローグのこの一文がとても心に響きました。

宮台さんはよく、「ヒトの感情が劣化する」と問題提起されています。

その結果として人同士の繋がりが希薄になったということです。

 

東京みたいに近所づき合いがなかったり、異性に興味がなくなって独身でいることのままいれたり。

そんなことがヒトの感情劣化で引き起こされているのです。

 

 

互いに相手の心にダイブする者たちだけが性愛を通じて絆を作り、それをベースに家族を形成し、ホームベースを作ってきました。

 少子化の要素の一つとしての結婚率の低下、そもそも誰かと付き合ったり、性愛を営むヒトが減っているということなんですね。

 

本書の内容ではこういった人間関係に関する内容が社会の歴史や仕組みから紐解かれています。

 

ただの現象として見るのではなく、原因を知ると見え方も大きく違ってきます!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

社会学の本は正直初めて読みました。

感想は「どハマりです!」 

 

ニュースで言われているような社会の事件というのは急にポッと出てきたわけではなく、歴史から連続している状況が問題となって表出したもの。

そんな事実が一つ理解できると事件の見え方が大きく変わってきますね。

 

未来を考えたりしますが、結局のところ過去や現在が分かっていないと未来なんかよそすることできないですよね。

 

 少しでも未来に対して予見をしたいと思うなら社会学を学ぶことをお勧めします。

自分はこれから少しずつ社会学の本を読み進めてみます。

【書評・読書感想 落合陽一】ゼロヒャク教科書、0歳から100歳まで学べ!

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こんにちは。

 

湘南で自由な生活をしたいらいおです。

 

人生100年時代」

個人的には苦しいイメージがこの言葉には付きまといます。

 

でも、80歳から100歳まで寿命が伸びたら好きなことが20年も長くできる!

と考えたら楽しくなってきませんか?

 

現代の魔法使い、落合陽一さんが人生100年時代を生き抜く術を書いた本があります。

 

「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」

非常に長いタイトルですがわかりやすいですね。

落合さんについては過去にもブログに書いてるので興味ある方はこちらもご覧ください。

www.shonan-ijyu.com

www.shonan-ijyu.com

 

自分は子供いないため、今回は割愛しますが、幼児教育論も書かれているので、パパさんママさんにもおすすめです!

 

 

結局は楽しく学び続けられる人が強い!

人生100年になったら同じところで80年働き続けられますか?

今の常識が100年の間変わらない保証はありますか?

 

自分はこの問いに関してはNOだと考えます。

 

まず仕事については、正直80年会社が存続する確率があまりにも低いんです。

30年以上会社が存続する確率は「0.021%」!

100社だったら0社ではないですか、、正直無理ゲー。。

 

常識も何十年もあれば大きく変わりますよね。

スマホが出てきたのが2008年、10年で生活様式を大きく変えてしまいました。

 

落合さんは本書の中でこのように書いています。

結局、どんな状況にあっても楽しく学び続けられる人、前提を無視し、ストレスを感じず、常に柔らかな跳躍ができる人が強いということです。

 

変化の激しすぎる現代は器用なカメレオンが有利だということですな!

 

近代的なレールはもう通用しない

落合さんのいうことでもう一つ気になる言葉があります。

 

これまでは、受験戦争に勝ち抜いて、偏差値の高い大学に入学し、一流と言われる大企業に就職することで、高収入のレールに乗ってしまえば安泰という人生のロールモデルがありましたが、現在は法人よりも個人の寿命の方が長い時代です。これまでのような人生計画は長さにおいても働き方においても意味をなさない時代になると思います。

 

なんとも怖い響きを持っている言葉なのか、、

 

確かに会社よりも働いている個人の方が寿命が長い。

現状では転職をしなくてもいずれ違う会社にいくことの方がデータ的には多い世の中になるようになるんでしょう。

 

そうなると、もはや転職という言葉すらなくなる世の中になるかもしれませんね。

 

 常に自分の感覚が正しいのか疑え

これまで流れの早い世の中で学び続けて変われる人間が強いと言ってきました。

要は常に変わることが大事だということ。

 

「自分の考えは合っているのだろうか?」

という問いを自分に投げ続けることが大事なんですね。

 

落合さんが自分に問いを投げるコツを教えてくれています。

そういった変化を追いかけ続けるには、日々、誰かの基準で自分は正しいか、間違っていないかを考えるのではなく、自分の基準を持って、考えはその時代に合っているか、自分のやっていることはこれからの時代に求められているかを考え、見極めるということす。

自分の基準が大切だということです。

 

人の基準で生きていないか、自分の基準なのかを常に考えて過ごしましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

1億総活躍社会という政策が打ち出されて数年、働き方も大きく変わってきました。

 

これからも政治、経済がものすごいスピードで変わるのが間違いないと思われる世の中で今までの価値観も変えて行かなければなりません。

 

自分が正しいと思っていることは、次の日には変わっているかもしれないという意識も大事です。時代が変われば平衡点は変わる。格差社会といわれますが、ゲームの変化点にチャンスはつきものです。

 

最後のエピローグでの落合さんの言葉です。

 

変わることは身体的にも、精神的にも負荷のかかることだと思います。

でも、それがチャンスだと思えば一歩踏み出せるのではないでしょうか?

 

具体的な方法は本書を読んで学んでみてくださいね。 

【書評/読書感想 本多静六】私の財産告白を読んでお金のルールを知った。

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こんにちは。

 

湘南で自由な生活をしたい、らいおです。

 

貯蓄ができない!

とお悩みの方いらっしゃるのではないでしょうか?

 

とある番組でマネーフォワードの社長である辻庸介さんが

 

お金の増やし方はこの人を見習え

 

ということを仰っていたのを見て、早速著書を拝読しました。

 

明治時代の話が多いのですが

お金の基本がわかりやすく書いてある…

 

当たり前のことが当たり前に書いてあるのですがちゃんと読み返すと感慨深いものがあります。

 

 

 

お金を増やすための第一歩

「タネ銭を作り、投資によってお金を動かして財を成す」

この本が書かれている根本にはこの考え方があります。

 

この考え方を実践するにはタネ銭を作る必要があります。

 

その秘訣は

タネ銭を作るには貯金しかありません。

 

貯金をする方法は本多静六さんは以下のように実践されました。

 

「本多式四分の一貯金法」

ホンの一回 、最初の出発において 、何人もまず四分の一の生活切り下げを断行してください 。

簡単にいうと「お給与の四分の一を貯金しましょう」ということです。

そしてボーナスは全て貯金しましょうとも説いています。

 

もし月給20万円でボーナスが一年で40万円だった場合、

 

貯金=(20万円の四分の一)5万円×12ヶ月+40万円=100万円

 

一年で100万円の貯金ができます。

 

これを数年重ねることでタネ銭を作るのです。

 

ぎりぎり出来ると思いませんか??

 

「私の財産告白」の著者、本多静六さんとは?

多くの日本人のお金の基本とされる「月給4分の1天引き貯金」を実践して財を成した、投資家です。

そして、本業は大学で林学を専門とした教授です。

 

生まれはなんと「慶応2年」!

明治の直前の江戸時代生まれということになりますね。

ということは、「月給4分の1天引き貯金」は明治に提唱されたということになります。

 

そして、定年と同時に暮らしに必要な金額を残して全てを寄付した方でもあります。

 

本多静六さん曰く、

金を貯めてどうする ?財産をこしらえて 、果たしてなんにしようというのか 。これは 、金を貯めた者も 、貯めない者も一様に取り上げてみる問題である 。

この証が有用な寄付に使うということだったのでしょう。

素晴らしい方です。

 

100年以上「お金の基本」として語り継がれることは本物の証です。

 

本多静六さんの教え

さあ、タネ銭を作ったあと投資はどのようにしたのでしょうか?

 

基本的には「株式投資」と「土地購入」を行なっていました。

「土地購入」については本多さんが林業を生業にされていたので本業に近いかもしれません。

 

今回は「株式投資」について書きたいと思います。

 

本多さんは自分で株式投資のルールを設けていました。

まず 、株式のお話から始めるとすると 、 「二割利食い 、十割益半分手放し 」という法で押し通した 。

「2割儲けたら儲け分を売り、突然2倍になったらそれ以上伸びる見込みがあれば半分売る」というものです。

 

「2割儲けたら儲け分を売り」

こちらは2割儲けた分は株式からリスクの少ない銀行預金に預けていたものです。

欲をかいて失敗することが多い株式投資で、リスクを減らす動きでしょう。

現在では銀行預金は利益が少ないため、大型の投信等に入れるのが良いのではないでしょうか。

 

「突然2倍になったらそれ以上伸びる見込みがあれば半分売る」

稀に株式価値が2倍に跳ね上がる場合があります。

当然ハイリスクハイリターンの投資先ですね。

 

その場合は2倍になった段階で半分を売りに出します。

そうすると元々の元本は回収できることになり、残った株式はタダで手に入れたも同然の株式になります。

 

ここまで見てきて本多さんの言いたいことは

  • 儲けすぎる前にルールを持って売ること
  • リスク分散しましょう

 

この点ではないかなと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

今回はダイレクトにお金の話をしました。

改めてお金と向き合うって大事ですよね。

 

お金と向き合うときは堅実に驕らず、真摯に向き合う

これが大事だなと。

 

世界一の投資家、ウォーレン・バフェットも言っていますから。

第1ルール、損しないこと。第2ルール、第1ルールを忘れるな。

気持ちが大きくなってしまうと失敗してしまうのですね。。

 

 

【書評・読書感想 古市憲寿】平成くん、さようならで死について考えてみた

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こんにちは。

 

湘南で自由な生活をしたい、らいおです。

 

今回は社会学者の古市憲寿さんの小説、「平成くん、さようなら」をご紹介します。

 

この小説の素晴らしいところは現実かフィクションかはただ読んでいるだけではわからないところです。

 

 

そう、舞台は2019年の現代日本

 

そこは、前年に安室ちゃんが引退した日本。

 

そこは、スマホUberを予約する日本。

 

そこは、グーグルホームに話しかける日本。

 

そこは、天皇生前退位で「平成」が終わりを迎えている日本。

 

そう、現代の日本。

 

 

たったひとつ違うこと、それは

 

安楽死が認められていること

 

 

死について普段考えたことありますか?

 

この物語は主人公である「平成くん」が安楽死を考えてると彼女に打ち明けるところから始まる。

 

そこは安楽死が合法化して、自殺が減って、安楽死が増えている世界。

 

最初は特にフィクションだからと気にはならない。

 

でも、読み進めていくと違和感が生まれてくる。

 

そう、物語は「今」起きている。

 

2019年のここ日本で起きている。

 

だから、いやでも「今」安楽死について考えさせられる。

 

生死について考えさせられる。

 

こんな感覚は初めてだった。

 

果たしてこれまで自分は生死について本気で考えてきただろうか?

 

答えはノーだ。

 

安楽死について考えたことありますか?

 

いじめにあって、つらくて精神的に病んで安楽死を選ぶ。

 

末期のガンと診断されて、余命宣告をされたから安楽死を選ぶ。

 

飼っている猫が苦しんでいるから、楽にしてあげようと安楽死を選ぶ。

 

こんな描写があるがどれも実感が湧いてくる。

 

平成28年厚生労働省の調査で本気で自殺を考えたことがあるのは国民の20%だという。

 

日本人は1億2千万人だから2400万人は考えたことのある試算だ。

 

個人的には考えたことのない人間としてこの数は多いと思う。

 

この2400万人は安楽死が合法化された日本はどう見えるのだろう。

 

生きやすい日本と感じるだろうか?

 

最近何かの本で「生きるということはそれだけでつらいことである」という言葉を見た。

 

ゲームみたいに「今回の人生はこれくらいで終わりにして、はじめからスタート」みたいな感覚は生きやすいのかなと思う。

 

だから個人の結論としては、「安楽死という選択肢がある事は、楽に生きられる心の支えになるかもしれない」ということだ。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

普段は簡単には考えられない生死について考えさせてくれる「平成くん、さようなら」は良い小説だなと思います。

 

苦しんで死にたくない。

 

揺れる椅子で眠るように死にたい。

 

昔に半分冗談で言っていたことを思い出した。

 

現代では安楽死は合法化されていないけど、一歩間違えば合法化されてもおかしくない。

 

シュタゲ的にいうと違う世界線なら安楽死が合法化された日本があるのだと思う。

 

だから、近い将来に合法化される前に安楽死をどう考えるか?

 

安楽死が簡単にできるようになったら、この法律をどう利用するか?

 

心の準備は必要なのだと切に感じる。

 

【書評・読書感想 老舗の流儀 虎屋とエルメス】人も企業も日々変化することが大事。

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こんにちは。

 

湘南で自由な生活をしたい、らいおです。

 

今回『虎屋とエルメス』を題材にした本を読破しました。

半分経営の本ですが、伝統の話が個人的には1番面白かったです。

 

この本は虎屋の社長「黒川光博さん」とエルメスの副社長「齋藤峰明さん」との対談をまとめた本です。

虎屋とエルメスは共に、創業から100年以上たったいわゆる『老舗』です。

 

対談の中に衝撃だったのが

『この時代、コンスタントなことはひとつしかない。全てが常に変わっていくことだ。』

という、常に変化することを意識している点がかなり意外でした。

 

何百年の伝統があるからこそ、その伝統やブランド価値にとらわれず、常に変化していくことが生き残る基本だと。

 

会社としても個人としても『常に変化すること』はこの時代大事なんです。

 

 

虎屋とエルメスとは?

虎屋

創業はなんと約500年!みんなが知っている和菓子の名家です。

よく手土産に使われますよね。

 

虎屋は室町時代に京都で創業しました。

後陽成天皇に和菓子を献上して以降、皇室御用達の製菓業となったようです。

 

フランスにも店舗を構えており、最近では『トラヤカフェ』や御殿場の『とらや工房』等新しい試みも老舗でも続けています。

 

エルメス

創業約180年。プレゼントとかであげた方いらっしゃるのではないでしょうか?

最初はエルメスのロゴにあるような『馬具工房』からスタートしました。

日本には1979年に直営店を開店しているので、日本では約40年の歴史になりますね。

 

有名な『ケリーバッグ』とか『バーキン』とかはいつまでたっても価値が落ちない、最高の商品として君臨していますね。

※何年も前の商品なのに、何百万とか何千万とかするのありますからね。

 

虎屋の【黒川光博さん】とエルメスの【齋藤峰明さん】

今回の対談はエルメスの齋藤峰明さんが会見で「エルメスの競合ブランドは?」という質問に対して

「強いて言うなら虎屋さんかな」

という答えがあって実現しました。

 

お互いに老舗企業を背負う経営者であるお2人。考えも似てるところがあります。

『常に変化し続けなければいけない』

この価値観はお二人が持っていて、老舗として続く秘訣なんじゃないかと思います。

変化の名言からお二人を紹介していきます。

 

黒川光博さん

虎屋の17代社長です。17代ということは虎屋の社長さんは全員黒川さんなんですね。

黒川光博さんは特に虎屋のフランス進出やトラヤカフェ等、新しいことに取り組んでいることで知られています。

 

名言をいくつかご紹介します。

今現在は価値があると思うものが、一年先には、どれだけ価値があるかわからない。そうなると、変えていけないものは何も無いように思うのです。「ここは変えていけない」と思うものでも、日々、変わっている気がします。

とても奥深い言葉ですね。伝統ある会社の型でも先はわからない。

まさに現代を表現する言葉ではないでしょうか。

 

過去の成功体験に則って、止まった状態で考えたものは、必ずしも成功しないと思うのです。企業にも個人にも「静止状態」はなく、動きながらものを見て、考えて作っていく。まさに、動きながら考えることが求められているのではないでしょうか。

500年の歴史があれば多々の成功体験があるでしょう。

そこに甘んじない考えが素晴らしいです。

自分も過去の成功体験に溺れないことって大事なんでしょうね。

 

 

齋藤峰明さん

現在シーナリーインターナショナル代表で、2015年までエルメスフランス本社副社長を勤められました。

この方の経歴はとても変わっていて面白い経歴の持ち主です。ざっとまとめると

  • 高校卒業後渡仏
  • パリで芸術大学に進学
  • パリの三越トラベルで働き初めて、所長就任
  • 40歳でエルメスインターナショナルに入社
  • エルメスジャパン社長に就任され、その後フランス本社副社長

なかなか見ない経歴ですね。

 

対談の言葉もフランス生活が長いためか、フランスの考え方と日本の伝統的な考え方があって新しい見方を教えてくれます。

 

(齋藤さんからみた)虎屋さんのお菓子について、最上級のいいもの、美味しいものを作るという理念は変わっていない。けれども、「おいしいものって何だ?」という基準は、時代によって変わっているはずです。

うんうんって感じですね。いつも美味しいものって微妙に変えられていて時代性に合わせられてるって聞きますよね。

 

企業として新しい形として作りたいと思っていましたが、言うそばから時代は変わっていく。毎日、新しい形が必要といっていいくらい、変化していかなくてはいけないと感じていたのです。

黒川さんと同じ考えですね。この考えには日本もフランスも変わらないんですね。

 

エルメスの社長)デュマさんは、よく「日本人は手で考える」と言っていました。手で考えるということは、技術を守りつつ、新しいものを作っていくことだと思うのです。日本人はそれを突き詰めるのが、割合、うまいのではないでしょうか。

日本人は手が器用だという話はよく聞きますが、フランスから見るとこんな視点があるんですね。

まさに、【職人芸】というものでしょうか。職人も日々進化していくことで最強に近づくのかなと。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

今回この本を読んで感じたことは「変化」の重要性です。

100年を超える長い間愛されている企業だからこそ変化の重要性がわかるんですね。

 

今回は経営者の対談ということで企業の変化についての話でした。

 

でも

企業が毎日変化しなければならないのなら、個人はもっと変化しなければ!

切に感じました。

 

楽天の三木谷さんが言っていましたが、

『昨日よりも1%成長する』

 

意識しないと停滞してしまうので心に刻んで生活していかなければなりませんね。

【書評/感想 商売人人価ー村井眞一】まさに商売の教科書だ!

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こんにちは。

 

湘南で自由な生活をしたいリョーです。

 

今日は「商売人人価」という本を読みましたのでご紹介します。

商売人人価 〜「最先端デジタル技術」と「売れる店の思想」が小売業の未来を拓く〜

商売人人価 〜「最先端デジタル技術」と「売れる店の思想」が小売業の未来を拓く〜

 

 

著者は村井眞一さんであの『TSUTAYA』を創業されたメンバーのお一人です。

その経験から商売の基本を再定義されています。

 

本の始まり

商売の基本的な法則に則っているか。

最新のシステムを活用しているか。

小売業が成功するか否かはこの2点にかかっているというのが、私の実感です。

この言葉に尽きますね。

 

 

商売人人価の著者、村井眞一さんてどんな人?

村井眞一さんはTSUTAYAの創業者メンバーの一員であることが有名ですね。

 

キャリアのスタートは株式会社鈴屋です。

当時、最大手のアパレル小売店で経験を積まれています。

『商売の基本的な法則』はこの鈴屋で培われたと本書に書かれています。

 

その後、増田宗昭さん、伊藤康史さんと共にTSUTAYAの前身となるレコード屋「LOFT」を立ち上げられます。

この「LOFT」は大きく成長し、現在の『カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社』になります。

 

こちらを退社後は、いくつかの会社で代表取締役を歴任され、現在はECフルフィルメントサービスをサポートされる会社「株式会社AMS」で代表取締役を務められています。

 

皆さんご存知の通り、TSUTAYAは大成功をしてどこにでもあるショップに成長しました。

その成長の基本は鈴屋時代に養った『商売の基本的な法則』と『最新のシステムの活用』にあったようですね。

 

TSUTAYA成功の背景には『商売の基本』と『最新システム』があった

商売の基本といえば何を思い浮かべるでしょうか?安く仕入れて高く売るとかでしょうか。

 

社会の現状と業界のアルゴリズムとのギャップに着目すれば、活路が見えてくる。

これが村井さんの考える商売の基本。

これがいわゆる「お客様のニーズ」につながるんですね。

 

この考え方は、お客様主体に考えるという意味ではamazonに似ているかもしれません。 

www.shonan-ijyu.com

 

 

お客様の立場で業界のおかしな常識を打ち破ることにチャンスがあるんだと思います!

 

そして最新システムの導入という観点ではTSUTAYAの成功事例として、POSの導入がありました。

回転率のいい商品を追加補充するスピードが圧倒的に速くなります。

このように書かれていますが、要は『圧倒的なスピード』を生み出す原動力に最新システムはなり得ます。

 

お客様の立場に立って業界の歪みというヒントを見つけて、システムによって圧倒的なスピードで変えていく。

 

きっと村井さんの商売論とはこういった内容だと想像できます。

 

組織の作り方にも基本がある

この本では組織の在り方も書かれています。

歴史を使った表現がとてもわかりやすかったです。

 

英雄が作った国や組織は一時期ものすごいインフレーションを起こして膨張しますが、そのあと急激なデフレーションに見舞われて短命に終わるのです。

秦の始皇帝豊臣秀吉が例としてあげられてましたが、たしかに長く続いてないんですよね。

トップのカリスマだけで持っている会社って確かに続かないイメージがあります。

 

対照的なのが

共和制ローマヴェネツィア共和国は、絶対的な王や英雄に権力を集中させることなく、民主的な共和制を採ることで長きにわたって反映しました。

ということ。

現在の『民主主義』が長く続いているのもうなづけます。

 

結構会社で民主主義を目指すことは大変ですし、完全体は見たことがありません。

 

しかし、トップダウンではなく意識してみんなで作り上げていく姿勢が大切ですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

ここ最近商売の本を読んでいると、

商売の基本はお客様目線でお客様の為にいかに動けるか

この一点に尽きると感じます。

 

村井さんが経営の祖、ピータードラッカーの言葉を引用していました。

社会をより良いものにするために、企業は存在する。

 

自分のお金のためとかの私利私欲は生まれがちですが、

みんなが社会を考えられる企業になったらきっと良い社会になるなあと思います。

 

P.S 【商売人人価】はこんな曲を聴きながら読みたい。

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